オートミールとは
オーツ麦を食べやすく加工したシリアル
オーツ麦の殻の形が燕(つばめ)の姿に似ていることから燕麦(えんばく)、又は地域によってはカラス麦などとも呼ばれています。オーツ麦を蒸す、挽き割る、ローラーで平たく伸ばすなどの加工を施し、調理しやすくなっています。オートミールは精白を行なわず、外皮を残したまま加工されるため、栄養が豊富で、最近では安全で健康的な離乳食、美容やダイエット食として注目されています。
優れた栄養
オートミールは、植物性たんぱく質が精白米の約2倍で、日本人に不足しがちなカルシウムや鉄分といったミネラルも多く含まれています。
また、ビタミンB1や、抗酸化作用のあるビタミンEなどのビタミンも豊富です。なかでも食物繊維は精白米の約20倍、玄米の約3.5倍もの量が含まれています。
オートミールの食物繊維の特徴は、水溶性と不溶性の両方の食物繊維をバランスよく含み、効果的に体に作用することです。水溶性食物繊維に含まれるβグルカンは血液中のコレステロールを排出させる働きなどがあり、不溶性食物繊維は整腸作用に優れています。
オートミールとお米の比較
※プレミアムピュアオートミール1食(30g)と玄米ごはん1膳(150g)と白米ごはん1膳(150g)を比較した場合
古くから親しまれていたオーツ麦
オーツ麦の原産地は中央アジアといわれており、紀元前1000年ごろから中央ヨーロッパで栽培されはじめたといわれています。古代ギリシャやローマでは家畜の飼料にされていましたが、イギリスでは、オーツ麦で作るオートミールが重要な食品となりました。スコットランドやアイルランドでは、ポリッジ(オートミールのお粥)が朝食に欠かせないメニューとなり、17世紀にはアメリカに渡り、アメリカ人にとっても親しみのある朝食となりました。
日本にオートミールが伝わったのは明治時代で、当時は北海道で土壌改良作物や馬の餌として大量に生産されていました。原材料が北海道に豊富にあったため、北海道が日本のオートミール発祥の地となりました。
異なるオートミールの
種類
同じオーツ麦から異なる加工により、多くの種類のオートミールができあがります。調理方法、調理時間や食感などが異なり、多種多様な用途があります。
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ホールオーツ
オーツ麦の原麦の穀皮を取り除き、熱処理された全粒のオートミールです。調理前に浸水を必要とし、調理時間がとても長く、主にパンなどに混ぜて使用されています。硬いため、そのまま食べることはできません。
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カットオーツ
ホールオーツを裁断したカットオーツは、20分以上の時間をかけて、調理する必要があります。プチプチとした食感のお粥ができあがります。硬いため、そのまま食べることができませんが、パンに混ぜて使用されることもあります。
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テーブルオーツ
ホールオーツを蒸し、ローラーで厚めに平たくし、焼釜でローストしたものです。調理時間は5分ほどかかり、食感が残るお粥ができあがります。ミューズリーやグラノーラの原料としても使用されており、テーブルの台のような形をしています。
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クイッククッキングオートミール
カットオーツを蒸し、ローラーで薄くして、焼釜でローストしたものです。2分ほどで調理ができ、食感が少し残ります。そのまま食べることもでき、牛乳やヨーグルトにひたしてオーバーナイトオーツを作ることができます。
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インスタントオートミール
カットオーツを蒸し、ローラーでクイッククッキングよりさらに薄くして、焼釜でローストしたものです。1分ほどで調理ができ、とろりとした食感が特徴のため、離乳食にも適しています。そのまま食べることもでき、ヨーグルトでさらりとしたオーバーナイトオーツやスムージーを作ることができます。
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ベビーオーツ
カットオーツを蒸し、ローラーでクイッククッキングよりさらに薄くして、焼釜でローストしたものをさらに細かく割り砕いたもの。1分ほどで調理でき、火が通りやすいことから離乳食などに最適です。